インテリアが奏でる住まい

ご夫婦の趣味である"インテリア"を引き立てるため、内装は素材感を大切にしたシンプルなつくりを心がけました。
気分によって家具の場所を変えていきたいという思いがあり、空間ごとの床・壁・天井に少しずつ特徴を持たせることで、家具を置く場所によって違った表情を見せてくれます。
厨房のようなステンレスキッチンを中心に、L字のLDKは中庭を介して緩やかにつながりながら分節し、リビングにも適度なこもり感をもたらし、落ち着く空間に。
時間や四季の変化、家具を置く場所によって空間の雰囲気が全く異なるインテリアが、主役の家のご提案です。

家の中に入ると、シックな外観からは想像もつかない明るい空間が広がります。玄関は帰宅する家族や来客を「おもてなし」する場所として、観葉植物や季節のインテリアを楽しむオープンなスペースを設けました。素材感のある緑のペイントやタイルの質感を用いることで、日の差し込む日中と夜の照明で違った表情を見せてくれます。

家具を引き立てるため、床材はシンプルな大判の「フロアタイル」を採用。単調にならないよう、ルーバー天井と造作の小上がりで空間にリズムをつけています。腰掛けて雑誌が読めるベンチ造作背面の壁は、ご夫婦のセルフペイント仕上げ。昼間は日が差し込み、夜はブラケットライトの光がぼんやりと照らして、陰影を楽しむことができます。

住宅街の一角という敷地条件で、中庭を囲う間取りとすることで明るくプライベートなLDKを実現しました。四季の移り変わりを愉しめるよう、中庭には常緑樹と落葉樹を組み合わせた植栽スペースを設けています。奥まった位置のリビングはDKと緩やかに分節されて落ち着く空間としながらも、LD一体の2.7ｍの天井高と中庭・サンルームの視線の抜けにより、開放感と連続性が感じられます。

生活感の出やすいキッチンは、造作開口によりリビングから間接的に見えるように計画しました。調味料のパッケージやキッチンツールなどの小物を空間のデザインとするため、小物を引き立たせるシンプルなステンレスキッチンを採用し、厨房のような雰囲気としています。

造作×既製品家具でオリジナリティーのある洗面を計画。洗面下の収納は、暮らし中で変更が可能なようオープンなつくりとし、雰囲気にあう収納家具をレイアウト。洗面カウンターと壁水栓の壁部分は、高い防水性と強度を兼ね備えた「モールテックス」を採用。深めのシンクと合わせて、見た目と機能を両立させた造作洗面をデザインしました。